Fusion360でモデリングした3DデータをPower Pointでスライドアニメーションにしてみた
[ 目次 ]
Office書類が3Dモデルに対応
2017年の夏に発表された新機能の1つ、なんとOffice 2016(Word、Excel、PowerPoint)で 3D モデルを読み込んで配置することが可能* になりました。
*現時点ではWindows版Officeのみ対応
ところがMicrosoftのサイトを見ても使い方がざっくりと紹介されているだけで「Office 2016で扱える3Dデータのファイル形式」についての記述が見当たりませんでした(見落としていたらすいません)。
勿論、実際に触ってみれば分かることではあるのですが、こういうのは一応「仕様」として何処かに一覧になっているものですよね。ネットを検索しても「3Dモデルが扱えるようになりました」という記事はあっても「どんなファイル形式に対応している」とか「◯◯というソフトでモデリングしたデータをインポートした」という記事は見つかりません。
というわけで、Microsoftのコミュニティサイトに質問してみましたが…ほぼ反応がありませんでした。あまり、皆さんはこの機能に興味ない?…う〜ん、面白いし画期的な機能だと思うのですけどね。
3D CADで設計をされているメーカーさんなら、社内向け営業資料や研修資料(e-ラーニング)、社外向けの販促ツール、展示会でのプレゼンテーション、プロモーション動画の作成にも活用できるのではないかと思います。
今後は3Dプリンターだけでなく、3Dスキャナーも身近になってくるかもしれません。3D CADが使えなくても物体を3Dスキャンしてモデリングすることができます。Xperia XZ1はスマホ単体で3Dスキャンが可能です。
で、結論からいうと自分で質問して自分で検証して答えてしまいました。「初めからそうしろよ!」と仰るかも知れませんが、いずれ誰か一人でもこの情報にアクセスする人が居るかもしれない、と考えればまぁ良いではありませんかw 取り敢えずはスッキリしました;
Fusion360の3Dデータをパワポでグリグリ動かせるの?
知りたかったのは以下の項目
- Office2016のインポート可能な3Dファイル形式を確認
- Fusion360のエクスポート形式との互換性を確認
- Fusion360で作成した3DデータがPowerPointにインポートできるかを確認
- 3Dデータをパワポ上で動かして スライドショーが正常に動作するかを確認
- 3Dデータを動かしたスライドショーから動画書き出しができるかを確認
Office2016のインポート可能な3Dファイル形式を確認
ライブラリーにある3Dデータの拡張子は「.3mf」というものでした。[挿入] → [3Dデータ] → [ファイルから...] で読み込みファイル形式を確認したところ、以下のファイル形式に対応している事が分かりました。
- .fbx、.obj、.3mf、.ply、.stl、.glb
Fusion360のエクスポート形式との互換性を確認
Fusion360のローカルからの書き出しではいずれの形式にも対応しておりません。アドイン機能で3MF形式へのエクスポート機能を追加できる、というのをAutodesk社の英語サイトで発見しましたが、私の環境ではそのアドインが表示されませんでした。
<追記>
3MF形式に書き出せるアドインはWindowsにしか対応していないようです。Fusion 360 App Storeで「3MF」で検索すればアドインが出てきました。ただ、3MFに変換したデータはポリゴンっぽくてあまりキレイではありませんでした。
Fusion360はクラウド経由であればより多様な形式への書き出しができます。
- Inventor2016、IGES、SAT、SMT、STEP、DWG、DXF、STL、FBX、SketchUp、OBJ
つまりFusionから書き出してパワポで読み込めるのは .fbx、.obj、.stl の3種類ということになります。
Fusion360で作成した3DデータがPowerPointにインポートできるかを確認
3Dデータを挿入してみましたが、.obj、.stl形式で読み込むと色のデータが無くなり、真っ白の3Dモデルになり、.fbx 形式のものは色の付いた状態の3Dモデルを挿入することができました。ですので、Fusion360 + Officeの組み合わせの場合は、.fbx 形式で書き出した3Dデータを読み込むのが良さそうです。
3Dデータをパワポ上で動かして スライドショーが正常に動作するかを確認
読み込んだデータは問題なくPowerPoint上で回転(3Dオービット)、拡大・縮小ができました。PowerPointの [画面切り替え] の [変形] の効果を試しましたが、こちらも問題なく動作しました(スライド中の英文に特に深い意味はありません;)。
参考までに、Windowsで3Dデータを配置したPowerPointファイルをMac版のPowerPointでも動作するか?を試しましたが、 [画面切り替え] の [変形] では拡大・縮小までは動作しましたが、回転は再現されずフェード(ディゾルブ)で切り替わってしまいました。Mac版Officeは3Dデータに対応していない為、3Dモデルは画像データに変換されてしまいます。Keynoteで開いた場合も当然3Dオブジェクトは画像化されます。
3Dデータを動かしたスライドショーから動画書き出しができるかを確認
以前にブログにも書きましたが、私はMacBook Pro 13インチ (Mid 2014 / i7 / 16GB /512GB SSD) のParallelsでWindows10の仮想環境を作ってまして、Windows版Officeを使用していますが、問題なくスライドアニメーションを動画に書き出すことができました。ですが、仮想環境では結構負担が大きいようにも感じました(カクつき、表示の異常など)。純粋なWindowsマシンでの動作は確認しておりませんが、私の環境よりもサクサク動作すると思います。
で、書き出した動画がコレです。音楽や効果音はiMovieで追加しました。
Mac版でも実装求ム!
簡素なデモ動画ですが「どんなことができそうか」は伝わるかと思います。どうでしょう、面白い機能だと思いませんか?・・・響かない? 私だけ? そんなにニッチな機能なのコレ?・・・あると思うのですけどね・・・。
ともかくマイクロソフトさん、[3Dモデル] 機能をマック版オフィスにも実装してくださいよ! [アイコン] 機能も!(アイコン機能はKeynoteでも実装済)
【追記-2018/05/28】
最近更新があり、Mac版のPowerPointにも「アイコン」機能が実装されました!
【Office 2016 新機能】PowerPoint アイコン
【追記-2018/10/02】
最近更新があり、Mac版のPowerPointにも「3Dモデル」機能が実装されました!
スポンサーリンク
関連記事
スポンサーリンク