V.G.M.@Akira Kohno

アップル製品、デジタルガジェット、アプリケーション、デザイン、動画、DIYなどのお役立ち情報(自分用の備忘録的なものも含む)、趣味や生活、個人的な関心事など。

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ハッピー☆マテリアル

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商業デザインの世界では「ストック素材」サイトというものの素材を使ってチラシやポスターをデザインするということがあります。例の五輪エンブレムの問題の時に、初めて「ストック素材」の存在を知った方もいらっしゃるかと思います(業界の内外で議論になりましたね)。

 

ダイバーシティ(多様性)の時代へ

さて、私も「素材」を使って仕事をすることはあります。そこでちょっと気になったことが最近ありました。それは素材サイトのデータの仕様です。例えばイラスト素材の場合、ファイル形式自体は画像(JPEG,PNG,PSDなど)とベクター(EPS,AI)とがあります。素材の用途としては印刷、Web、映像などがあります。印刷の場合のカラーモードがCMYK、Webや映像はRGB


Illustratorと言えばDTPソフトのデファクトスタンダード。じゃぁ、AI素材はCMYKで決まりか? 最近はそうでもない。WEBや映像といった用途が増えているからです。カラーモードはイラレ上でも変更可能。それどころか、最近のイラレは新規作成時のメニュー自体に「Web」や「ビデオ」といったメニューが用意されています。

 

イラレはもはや「印刷業界」の人たちだけのものではないのです。ということからか、素材サイトによってはデータ作成のルールを「RGBが基本」にしている所もあるようです。言われてみれば確かに。私たちはグラフィックや文字などの「情報」をかなりの割合で紙ではなくスマホやPCなどの「液晶ディスプレイ(RGB)」で見ています。こうしている今も。

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鉄のルール

印刷の世界では絶えず「安全な出力データの作り方」の歴史を積み上げてきた。印刷業界の人間は職人的な厳しさでこのルールを叩き込まれます。前述の通り「印刷データはCMYK」が鉄則。新人の頃にRGBデータの画像を貼って入稿して印刷会社の方に烈火の如く怒られた経験のあるデザイナーも少なくないと思います。

 

CMYK/RGB問題の次に出てくるのが「特色」問題。特色とはCMYKではなく「特別に調合した色」を指定して印刷するというものです。企業のロゴなどは厳格に色のルールが決められており、色をCMYKで似せるのではなくて「指定された色」で印刷する為のデータを作るわけです。で、その特色データはイラレ上でも指定はできるのですが、実際の製版ではCMYKのいずれかで特色用の版を作って、その版で特色のインクを乗せて印刷するわけです。

 

そうでない場合、特色を印刷データに残っているとCMYK分版が正しくできないため、製版・印刷でトラブルが起こります。ですので誤って特色を使用してデータを作ってしまったら、それはCMYKの色に置き換える必要があります。

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「素材」が「オレ色」である必要は・・・

で、やっと「素材」の話に戻るのですが、印刷に使うのかWebに使うのかはともかく「素材データが特色である必要はあるのだろうか?」ということが言いたかったのです。多分、あまり考えずに特色を使ったのだと思うのですが、Web用に画像書き出しして若干色味が変わったぐらいならいいのですが、印刷の場合は大変危険です。一応イラレ側でもファイルを保存する際にアラートが表示されますが、万が一そのまま入稿して刷り上がってしまったら・・・・。

 

もちろん素材を使用する側も注意を払うべきですが、できればAIのイラスト素材に特色は使わない方向でお願いしたいです。「素材」なので色は変更されてしまうかもしれませんし、特色にこだわる必要は・・・多分、特色は使わない方がみんなが幸せになれると思うんです。

 

意図して使ったのか、無意識だったのかは分かりませんが最近、入稿前に「特色を使っているイラスト素材」でちょっと焦ったので、いち「素材ユーザー」から「素材を作成しているクリエイター様」へのリクエストでした。